映画「プラトーン」「エレファントマン」「ロレンツァのオイル」
ドラマ「のだめカンタービレ」「華麗なる一族」「冬のソナタ」
JFK葬儀、9.11同時多発テロ犠牲者慰霊祭 など
サミュエル・バーバー(1910〜1981)
これらに共通して用いられた音楽が『弦楽のためのアダージョ』です。このアダージョを作曲したのが今年生誕100年を迎えたサミュエル・バーバーということを知る人は少ないかもしれません。
1910年3月9日、アメリカ東部のペンシルベニア州ウェスト・チェスターに生まれたバーバーは、幼いころから楽才を示し、14歳でフィラデルフィアのカーティス音楽院の最優秀クラスに入学。同級生には後の大指揮者レナード・バーンスタインがいました。
カーティス音楽院 今も世界一流の音楽家を数多く輩出している(ランラン、ヒラリー・ハーンなど)
ピアノ、作曲、声楽、指揮(名指揮者フリッツ・ライナー門下)を学んだバーバーは、1935年に運命的な出会いを果たします。トスカニーニとの出会いです。この世紀の大指揮者、トスカニーニによってバーバーの2つの作品、『管弦楽のためのエッセー第1番』と『弦楽のためのアダージョ』は1938年にレコード録音され、これがきっかけとなりバーバーの名は全世界に広まりました。
指揮者 アルトゥーロ・トスカニーニ
バーバーの作風の特徴はその叙情性と劇性にあります。彼は同時代の他の作曲家と違い、当時最先端のモダニズム(無調)や実験的姿勢に走らずに伝統的な和声や楽式にこだわりました。彼が「最後のロマンティスト」といわれるゆえんでもあります。彼の作品は、豊かで華麗な旋律、精緻かつ劇的なハーモニーからアメリカ人に最も愛される作曲家として、母国アメリカはもちろん、ヨーロッパで今も高く評価されています。日本ではあまり知られていないのが非常に残念であり、今後の再評価が望まれる作曲家の一人として、この生誕100年の機にシリーズを企画いたしました。
最後にバーバー自身の言葉を紹介します。彼自身の作曲への強い想いが感じられる一文です。
「私は自意識の強い作曲家ではありません。私には全く様式がないと言われることがありますが、それは問題ではありません。私はただ、彼らが言うところの私のやり方を続けて行くだけです。こうするにも、それなりに勇気がいると私は信じています。」
バーバー作品が演奏される今後の演奏会
弦楽四重奏曲、セレナード
バーバーの知られざる世界�「弦楽四重奏」大阪フィルメンバー
弦楽のためのアダージョ
KEIBUN第九2010(下野竜也指揮大阪フィル)
サミュエル・バーバー(1910〜81)主な作品
歌劇 「ヴァネッサ」「ブリッジ遊び」「アントニーとクレオパトラ」
バレエ 「メディア」「スーヴェニール」
オーケストラ曲 交響曲第1〜2番、序曲「悪口学校」、
管弦楽のためのエッセー第1〜3番
協奏曲 ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲、
カプリコーン協奏曲
弦楽合奏曲 セレナード、弦楽のためのアダージョ
室内楽曲 弦楽四重奏曲ロ短調、チェロソナタ、夏の音楽
ピアノ曲 遠足、ピアノソナタ変ホ短調、
夜想曲—ジョン・フィールドを讃えて—
声楽作品 ドーヴァー・ビーチ、ノックスヴィル1915年の夏、
アンドロマケの別れ
さらに詳しく知りたい方!
バーバーの作品を出版しているシャーマー社公式HP
バーバーの伝記(英語)
いよいよ開演迫る!
10月3日(日)午後3時 しがぎんホール
バーバーの知られざる世界�大阪フィルメンバー
当日券もあります!
ぜひご来場ください
↓出演の松川朋子さん(ヴァイオリン)写真:福岡弘文