ベートーヴェン生誕250年のこの年、別の意味で特別な一年となりました。
今改めて振り返ってみると、随分長い間第九を歌ってきました。そんな中、はじめて第九を歌わない年末を迎えます。
1990年旧京都会館で初めて第九を歌って以来、今までに経験した数多くの本番はどれも素晴らしい時間でした。KEIBUN第九では、ボッセ先生のBrüderへの強い思い。コバケン先生の驚異的な集中力。本番当日に帰国されて、いつになくハイテンションだった下野先生。大植先生の舞台演出には驚きました。ソリストでは、キュウ・ウォン・ハン氏が一声発した瞬間、足元に伝わった振動。etc.…… これらの中でも、2012年のあのマエストロの祈りの第三楽章は私にとって一番の宝物です。
舞台からの景色は、その場に立つ者しか見えない世界で、オーケストラの音が全身を包む感覚は、あの場に居る者しか感じることが出来ない特別なもので、その時々その一瞬一瞬の全てがかけがえのない時間です。
これらの貴重な体験をサポートして下さるKEIBUN第九合唱団事務局並びにスタッフの皆さん、そして根気強くご指導して頂く先生方、声を合わせた仲間達との出会いに感謝すると共に、また新しい第九を体感したいと思います。
Durch Leiden Freude ーーー皆さんと共に。