今月1日〜2日、KEIBUN夏の恒例行事
『夏の比叡山 参禅体験』が比叡山 居士林(こじりん)にて
一泊二日の日程で行われました。
企業から派遣された方や個人でご参加いただいた方など、総勢61名という大所帯での修行体験となりました。
本日から3回にわたり、私たちスタッフが見た参禅体験の様子について、テーマ別にリポートしたいと思います。
3人のスタッフが日替わりで食事作法、写経、坐禅止観についてお届けしますので、どうぞお楽しみに!!
さて、第一回目の今日は比叡山での「食事」について
お届けします。
(写真は2日目の朝食「小食(しょうじき)」)
突然ですが、みなさんは普段、どのような席でどのような器を使い、どのように食事をされていますか?
最近はテーブルとイスで食事をとられる方がほとんどかと思います。
まず、比叡山での食事は「正座」が基本となります。食事中、足がしびれたからと言って正座を崩すことは許されません(修行中は例外的に足を崩される方もいらっしゃいました)。
正しい姿勢で食事に向かうことが礼儀とされているためです。
他にも、いくつか食事の際の作法があるのでご紹介します。
�食事中、音を立ててはいけない(器を置く音など)
�すべての器は持ち上げて食べる(おかずの器も)
�汁物の器以外、器に口をつけて食べてはいけない
�食事中はお茶を飲まない
�食事は一切残してはいけない
�食事後、すべての器をお茶とたくあんで洗う(洗鉢)
�器を洗ったお茶はすべて飲み干す
など、簡単に挙げただけでもこれだけの作法があります。
なぜこんなことを??と疑問に思われるかもしれませんが、
これらの作法こそが、和食の本来の正しい食べ方なのだそうです。
例えば、器に口をつけずご飯を食べようとすると、正しく箸を持つことが不可欠となります。
また、動物だけでなく植物にも命があるという考え方から、精進料理であっても、それらの命を「いただく」という感謝の気持ちを示すために、静かに食べることが礼儀なのだそうです。
洗鉢についても、一番初めの食事(正食)では器の汁気がうまく取れず、器をきれいにすることができませんでした。
しかし、2回、3回と食事を取る中で、本来の食事作法の意味を理解でき、最後の食事ではこのようにピカピカにすることができました!!
一人ひとりが器をきれいにすることで、器を洗う際の水や洗剤の量を少なくすることができ、家事をする人や環境にも優しい!という一面があります。
すべての作法にはちゃんと理由があるんですね…
「和食」という文化の奥深さを感じることができました。
参禅体験に参加したことにより、普段の食事に対する考え方が少し変わったように感じています。
自分の体に入り、生きるための力になるものですから、調理をする段階から、食材に対する感謝の心を持っていきたいと思うようになりました。
忙しい毎日の中であっても、「一日一日を丁寧に暮らす」ために、日々の食事を大切にしていきたいと思います。
また、一緒に食事をとれる「家族」がいることに、今一度感謝したいと感じたくらげでした。
次回は「写経」についてリポートします☆
みなさま、『参禅体験リポート』全3回シリーズを
どうぞお楽しみくださいませ!!