びわ湖ホールでの演奏はなんと初めてとなる大作。
マーラー作曲
交響曲第2番ハ短調「復活」
その公演の様子をお伝えします。
この曲、なぜそんなに演奏されないかというと、とにかく大がかりだからなんです。オーケストラは総勢120名以上!その他にも合唱、独唱など、たくさんの演奏者が必要な曲なんです。これは「作曲したマーラーが歌劇場の指揮者だったから」というのは、KEIBUN文化講座「音楽の招待席」講師の響敏也先生のお話し。歌劇場のオーケストラはオペラを毎日演奏するために出番がローテーション制になっていて、オーケストラ2つ分くらいの人数を抱えています。マーラーはこの歌劇場のオーケストラをいっぺんに全部使うことを想定して、大編成の曲を作曲したというのです。
この公演に向けて合唱団(年末の第九でおなじみのKEIBUN第九合唱団)は2月から練習を重ねてきました。オーケストラは京都市交響楽団の皆さん。今回は公演前日にびわ湖ホールをお借りし、2日間にわたり最後の合同リハーサルが行われました。
それでは普段はなかなか見ることのできないステージの裏側をご覧いただきましょう。
まず客席の写真です。客席からステージをご覧いただくことは普通ですが、ステージから客席を見るとこんな風に見えるんです。
いかがですか?びわ湖ホールは4階席まで馬の蹄のような形で客席が配置されているのがよくわかります。本番ではこの客席いっぱいお客様から拍手をいただくとまるで天から降り注ぐシャワーのように舞台上では聞こえるんですよ。
さて、続いては大編成を象徴するこの楽器をご覧いただきましょう。
これです。
そう、オルガンです。復活では5楽章に登場します。手元に2段の鍵盤があるだけでなく足元にも鍵盤があるのがご覧いただけると思います。おもしろいのは楽譜を載せる譜面台の左横にあるテレビモニター。ここに何が映るかというと指揮者の篠�さんが指揮する様子が映るんです。オルガンは大人数のオーケストラが配置されているステージの一番後方に位置します。前にいるたくさんのオーケストラメンバーにより指揮者の姿が見えにくくなっているためにこうしたモニターが用意されているのです。
続いてはステージの裏側に回ってみましょう。
これはいったい?
実は復活には「バンダ」といわれる演奏パートがあります。バンダとは舞台裏で演奏する別動隊の奏者のことをいいます。今回、ホルン、トランペット、打楽器にこのバンダが書かれているのです。この写真はホルンの皆さんです。舞台裏ということは当然指揮者がまったく見えないので、ここでも指揮者の姿を映すテレビモニターが用意されているのがお分かりかと思います。
さて、公演当日の話に飛びますが、さきほど少しご登場いただいた響敏也先生に講師を務めていただいておりますKEIBUN文化講座「音楽の招待席」では現地学習として、公演当日のリハーサル(ゲネプロといいます)の見学と響先生の解説を企画しています。今回、その現地学習の解説にはなんと公演を控えた篠�マエストロにお越しいただきました。
指揮者から直接、演奏内容やマーラーについて解説をいただくのはめったにない機会です。受講生の皆さんは興味津々といった様子で聞き入っておられました。マエストロありがとうございました。